「毎日のように顔汗が出てきてつらい…」と悩んでいませんか?
顔汗を止める方法はいくつかありますが、漢方による治療でも顔からの多汗症を止めることができます。
ただし、漢方を選ぶ際は体質に合うものを見きわめなければなりません。
この記事では、顔汗を止める効果のある漢方を9つほど紹介していきたいと思います。
目次
顔汗の多汗症に使われる漢方の特徴
顔汗の多汗症には、止汗作用がある「黄耆」を主薬とした漢方を用いられることが多いです。
しかし、漢方は同じ症状でもその人の「証」によって治療薬が異なります。
大きく分けると全身性多汗症タイプと局所性多汗症タイプ(顔汗のみなど)の2種類です。
全身性多汗症の場合
全身性多汗症の方によく見られるのが、
- 疲れやすい
- 食欲が少なめ
- 風邪を引きやすい
といった特徴です。
全身のエネルギー不足が原因であることが多いため、補気材を中心に処方されます。
局所性多汗症の場合
局所性多汗症の方には
- また汗をかくのでは?と不安を感じる
- 緊張しやすい
といった特徴が見られます。
精神的なストレスが原因であることが多いため、心因的な対処が必要になるケースもあります。
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【タイプ別】顔汗を止める漢方14選
漢方薬は、顔汗をかくという症状は同じでも、その人の証によって処方されるものが違います。
タイプ別でまとめてみましたので、自分がどのタイプに当てはまっているかチェックしてみましょう。
水肥タイプ
尿が少なく、寒がりで暑がり。暑い季節は少し動いただけでも汗がだらだら止まらなくなるタイプです。
水肥タイプに使われる漢方がこちら。
防已黄耆湯
疲れやすく色白の人、汗のかきやすい人の水ぶとり、むくみ、関節痛などにも効果があります。
漢方の古典とされる中国の医書「金匱要略[キンキヨウリャク]」にも掲載されています。
五苓散
のどがよく渇く人、尿量が少ない人のむくみや頭痛などに効果があります。
「傷寒論」「金匱要略」といった中国の医書にも掲載されています。
衛気不固タイプ
疲労感が強く抜けづらい。皮膚の温度調節機能が弱く、汗をコントロールできないタイプです。虚弱体質で表虚ともいいます。
黄耆建中湯
体力がなく疲労しやすい人の寝汗や冷え性、衰弱、皮膚のただれ、などに効果があります。
桂枝加黄耆湯
体力がない人の寝汗やあせも、湿疹、皮膚炎などにも効果があります。
清暑益気湯
疲れやすい人、食欲不振の人、口の渇きがある人の夏バテ(食欲不振、下痢、全身倦怠)や、夏やせの治療などにも使われる漢方です。
実熱タイプ
太り気味でイライラしやすい。体の中に熱がこもっているようなタイプです。
黄連解毒湯
体力がありのぼせ気味の人、血圧が高めの人の、のぼせやほてり、不眠、動悸、イライラ感、胃炎、高血圧にともなう頭重感や肩こりなどにも効果があります。
更年期障害の症状にも使われることがあるようです。
気逆タイプ
顔がほてり、足が冷える。顔がほてるので長風呂ができないというタイプです
苓桂味甘湯
手足が冷えて上気して顔が赤くなる人や、気力が落ちて気分沈鬱な人の、のぼせや動悸、からぜき、のどのふさがり感、耳のふさがり感などにも効果があります。
湿熱タイプ
湿と熱が身体に多い脂濃い食事をすることが多い方によく見られるタイプです。
平胃散
体力が普通の人で、お腹のゴロゴロ、消化不良による胃もたれ、胃のチャポチャポ、下痢などにも効果があります。
虚証タイプ
疲れやすく、寝汗などもでやすい。緊張すると手の平の発汗がひどくなるタイプです。
柴胡桂枝乾姜湯
体力がなく貧血気味の人、口が渇きや動悸がある人の、神経症、不眠症などにも効果があります。
更年期障害の人や神経過敏の人にも使われるようです。
陰虚熱タイプ
すぐ顔が赤くなったり、のぼせやすい。上半身が火照りやすく、よく寝汗をかくタイプです。
天王補心丹
虚弱な体質の人の不眠や不安感、動悸、息切れなどにも効果があります。
更年期にも使われる漢方のようです。
知柏地黄丸
ほてり、のぼせ、口渇、乾燥感がある人の、排尿困難、頻尿などに効果があります。
更年期のホットフラッシュなどによるほてりの症状にも使われています。
気滞タイプ
手のひらや足の裏、顔、頭など部分的に汗をかくことが多いタイプです。
加味逍遙散
体力があまりない人の、のぼせや発汗、不安、
柴胡加竜骨牡蛎湯
体力が中くらい以上の人、肋骨下部が張り胸苦しさがある人の、神経症や不眠、高血圧や動脈硬化にともなう諸症状などに効果があります。
口渇タイプ
舌は赤いが顔色がよくない。冷水を多飲して強い口渇を感じます。多尿で多感なものの皮膚が乾燥でカサついているタイプです。
白虎湯加人参湯
ほてり気味で体力のある人の、発赤やカユミ、体の灼熱感、異常な口渇や多尿などに効果があります。
糖尿病にも使われているようです。
汗のコントロールの低下にも気をつける
私たちの体には汗の量をコントロールする体温調節機能があります。
季節に応じた体温調節をすることで健康をキープすることができるんですね。
しかし、エアコンの効きすぎた室内に長時間居たり、運動不足で汗をかかない状態がつづいてしまうと、汗をコントロールする力が低下してしまうのです。
比較的すずしい時間帯は外に出て日光を浴びたり、散歩や入浴で汗を出す機会をつくってあげるだけでも、汗腺をきたえることができますよ。
まとめ
今回は顔汗を止める効果のある漢方についてご紹介してきました。
漢方って専門の方に意見を聞くのはもちろん大切なんですが、妙に高額である場合も多いですよね。
しかし自分であるていど漢方の知識を取りいれておけば、漢方専門ではなくても通っている病院などで処方してもらえたり、通販などで売られていることもあるので自分で購入して試してみることもできます。
もし漢方を始める際にはある程度の期間を続けてみて、効果を実感されてくださいね。